韓国映画をご覧になった当協会理事・藤井正一さんから感想とそれに関する情報を頂きましたので、以下にご紹介します。

広島県日韓親善協会が文化事業として韓国映画鑑賞招待事業を取り上げましたことを高く評価したいと思います。映画は韓国の歴史、社会、人々の生き方、生活などを芸術的に表現しているので、韓国社会を理解する一助になります。

 

私が鑑賞しました『サムジンカンパニー1995』はその当時の韓国社会を適切に表現しております。韓国の代表的な大企業に勤める高校卒の女子社員の実情や積極的に生きる女性の生き方を的確に表現しております。

 

女子社員がある町に起きた環境事件を解明しょうと奮闘する場面に強い関心を持ちました。私は2002年広島大学大学院在籍中、韓国人指導教授とご一緒で韓国の環境問題に強い関心を持って調査したことがあります。その中で洛東江のフェノール汚染事件が深刻な事態を引き起こしております。

1991年、韓国屈指の財閥のひとつ、斗山(ドゥサン)グループの子会社、斗山電子が有害物質である「フェノール」を不注意に川に排出し、近くの大邱(テグ)水域の水道水貯水タンクに流入、水道水からの悪臭に気づいた市民によって事件が発覚しました。フェノールは流域の市町村の飲料水に使用される水処理施設に行き着き、強烈なにおいがし始めました。 109>クロロフェノール水が塩素で消毒されたとき.強烈な匂いがします。

斗山電子は当初、フェノールの数値を改ざんし、専門家まで動員して無害を主張したが、市民団体の調査によってがんの誘発や、最悪の場合は死に至るほどのおびただしい量のフェノールが含まれていることが判明したのです。

フェノール汚染水は洛東江の流域の大邱市、釜山市など市町村の飲料水に使用される水処理施設に行き着き、強烈なにおいがし始めました。 109クロロフェノール水が塩素で消毒されたとき.強烈な匂いがします。妊婦の女性が飲料水を飲んで体調不全になるなど、大規模な健康問題を引き起こしました。

改ざんに加担した職員らは逮捕され、斗山グループの会長は被害者への補償はもちろん、再発防止のための設備強化を約束して辞任し、環境大臣も辞任しました。この事件をきっかけに環境犯罪厳罰化の特別法が成立して、全国の水源を持つ主要な河川を監視する環境管理委員会も組織されました。

 

韓国でもう一つ大きな環境汚染事件は温山病(おんさんびょう)です。日本のイタイイタイ病です。温山病は 大韓民国 蔚山広域市 蔚州郡 温山邑で発生した大韓民国最初の 公害 病で、いまだに正確な原因は不明です、

蔚山広域市蔚州郡温山邑(当時は慶尚南道蔚州郡温山面)一帯には1974年に指定された非鉄金属を精錬する工場が多い温山工業団地があります。温山工業団地は近くの蔚山石油化学団地と共に化学工場が立地しており、石油化学工場が降雨の中、流出された有害物室で1980年代初め工業団地周辺に居住していた住民に被害を与え、神経痛、全身麻痺の症状が現れ、1985年、韓国政府は温山地域に対する公害被害を認定し、その地帯に居住していた住民を2km離れたところに移住させています。(理事 藤井 正一)