第 117 集 (2014年02月)

□ 活躍たたえ各界から百余名
              「被爆2世」辛亨根総領事の送別会

 駐広島韓国総領事館の辛亨根総領事が来月(3月)退任することになり、2月13日、広島市中区のホテルで送別会が開かれました。広島県日韓親善協会と韓国民団広島県本部の主催で、各界の代表的な人たち百余名が出席。辛総領事がこの3年間にあげた特筆すべき業績を称えました。

  この日の送別会には辛総領事が金金龍夫人とともに出席。地元からは広島県の城納一昭副知事、広島市の西藤公司副市長(湯崎知事、松井市長らによる送別会は前日開催)、林正夫県議会議長夫妻、平谷祐宏尾道市長らのほか県議会、広島市議会の日韓議連のメンバー、県・市の幹部職員や大学人、在日韓国商工人らが姿を見せました。
  冒頭、主催者を代表してあいさつに立った広島県日韓協の青木暢之会長が辛亨根総領事のこの3年間の業績を振り返り、ひろしまフラワーフェスティバルでの朝鮮通信使行列や韓国理解のための映画会、講演会、スピーチコンテストの西中国大会の開催、在韓原爆被爆者救援などの事業を次々に手掛け、歴代の広島総領事のなかでも際立った実績を挙げたことを強調。「お蔭で事務方はついていくのに大変だった」とユーモアをまじえて活躍をたたえました。城納副知事、西藤副市長も辛総領事が厳しい日韓情勢の中、「国慶日パ-ティー」を開催するなど日韓の融和に努力したことにふれて別れを惜しみました。
  これに対して辛亨根総領事は「父が被爆した広島が(外交官生活)最後の地となったが、日韓親善協会・民団をはじめ多くの人たちのご協力のお蔭で務めを果たすことができた。広島が生涯の思い出の地となりました」と感謝の言葉を述べました。
  このあと林県議会議長の乾杯の発声で歓談に移りましたが、この中でも東京から駆け付けた白眞勲参議院議員や民団県本部の権五源前団長、広島県日韓協の安東善博前会長らが次々に辛総領事の「仕事師」ぶりを紹介。安東前会長が退官後の予定を尋ねると「執筆途中の原爆被爆と平和問題についての研究論文を広島大学大学院で完成させたい」と、被爆2世総領事としてこの分野でも探究心旺盛なところをみせていました。
  辛総領事は夫人とともに送別会の開催中、席を温める暇もなく会場のテーブルを回り、馴染みになった一人ひとりに握手をして感謝の気持ちを伝えました。
  この日は同じ時期にブルネイ王国に転任する李昌勲領事夫妻も招かれ、辛総領事と一緒に出席者からの餞別と花束を受けました。

   <お礼>

  今回の辛亨根総領事の送別会につきましては公私ご多用のなか多くの皆さまのご出席を賜り、誠に有難うございます。お蔭をもちまして盛況裏に会を終えることができました。総領事ご夫妻におかれましては外交官生活の最後をご尊父ゆかりの広島で無事おえることができたことを皆さまのご協力の賜物と感謝しておられ、今回の送別の宴での皆さまのご芳情に感激しておられます。
  主催いたしました私どもからも改めてお礼を申し上げますとともに、ご夫妻のご健勝と更なるご活躍をお祈り申し上げます。
    2014年2月
          広島県日韓親善協会 会長 青木暢之
          民団広島県地方本部 団長 沈 勝義